日本語版『林語堂全集』を目指して

ガンディーを思う


「弱国に外交なし」とは何をか言わん! 常に弱い国であり続けることはないと我々は信じており、外交がなければ弱くならざるを得ない。ガンディーは手に寸鉄なく、その一身に亡国の痛みを背負い、七日の断食によって大英帝国を屈服させた。「弱国は戦うこと能わず」と言われるが、十九路軍は戦った。その退却は兵の罪ではなく、上海銀行界が恐慌を起こしたために仕方なく退いたに過ぎない。東北は戦えないと言われているが、馬占山と王徳林は戦っている。将来の戦敗も、やはり中国政府が軍事物資を供給できないことによるものであろう。今日、ガンディーがいたならば、必ずや全国の民を率いて東北義勇軍の後ろ盾とするだろう。また、退いては全国に号令し、平民の資格をもってボイコット運動を組織し、日本の死命を制することだろう。戦うことも、ボイコット運動も活路であり、ただ民衆を離れて白手袋をつけて手を握ることだけが破滅への道である。中国の四億の同胞が一人のガンディーをも生み出すことができないのは、これよりも大きな国恥はない。『逸周書』曰く、「嗚呼三公、汝念哉! 汝無泯泯芬芬、厚顔忍醜、時維大不弔哉!」


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